概要
JANOG57 Meeting in Osaka(2026/2/11-13)の NOC(Network Operation Center)Backbone チームメンバーとして参加。さくらインターネットがホストを務める大規模カンファレンスにおいて、学生・社会人混成チームで会場ネットワークの設計・構築・運用を行った。
会場はコングレコンベンションセンター、グラングリーン大阪 JAM BASE 3階、JAM BASE 4-6階の 3 拠点に分かれ、物理的に離れた拠点を結ぶバックボーンネットワークの構築が求められた。
会場ネットワーク構成
バックボーン
3 拠点を OCX(Open Connectivity eXchange) で接続し、さくらのクラウドおよびインターネットへの接続を集約。
- コングレ会場:オプテージのダークファイバ 2 本で OCX へ接続
- JAM BASE:OCX 光(10G / 1G)を使用
機材構成
- ルーター: ヤマハ RTX3510 × 2台(VRRP で冗長化)
- スイッチ: Juniper EX シリーズ × 28台(バーチャルシャーシで冗長化)
- AP: Juniper Mist AP × 80台
- サーバー: 物理サーバー + さくらのクラウドのハイブリッド構成(DNS・監視基盤)
BB チームの技術的チャレンジ
IPv6 マルチプレフィックス負荷分散
2 台のルーターから異なるプレフィックスを配布し、クライアント側でソースアドレスを選択させることでトラフィック分散を実現。戻り通信の経路制御のため、ソースアドレスベースのルーティングを実装。
帯域制限の即時対応
JAM BASE 4-6 階は共有 1G 回線で帯域制限あり。Day1 午前に単一ホストによる大量通信(140Mbps / 51GB)が発生し帯域逼迫。急遽「下り 30Mbps / 上り 20Mbps」の帯域制限を適用し接続性を改善。
DNS バーストトラフィック
通常 300QPS のところ、最大 1 万 QPS 超のスパイクを 7 回観測。キャッシュヒット率がほぼ 100% であり、特定少数ドメインへの負荷試験的通信と推測。
OpenRoaming / RadSec 障害対応
Day1 に OpenRoaming 接続しにくい事象が発生。RadSec(TCP)使用時の NAT セッション数上限(32 セッション/IP)が原因。上限緩和により解消。
運営体制
- 事前検証: 数ヶ月前からさくらインターネット本社に検証ラックを構築し、本番に近い構成でカオステスト含むテストを実施
- チームビルディング: 学生・社会人混成チームで Slack でのログ共有、オフライン会(ケーブル作成・AP 開梱等)を実施
規模
- 最大同時接続クライアント数: 2,098
- 最大トラフィック: 1.8Gbps
- 会期: 3 日間(前日構築含む 6 日間体制)
- NOC チーム構成: Backbone / AP / Cable / Server / NOC Live
- ケーブル敷設: LAN 2,393m(119 本)、光ファイバー 2,290m(12 本)
- AP 展開: Juniper Mist AP × 80 台